ヘッダーは「中身の前につく案内書き」
「ヘッダー(header)」という言葉、Web開発でもドキュメントでも、あちこちで出てきます。最初に見たときは「画面の上のほうにあるバーのこと?」と思うかもしれません。それも間違いではないんですが、もう少し広い意味があります。
英語の head は「頭」。つまりヘッダーとは、何かの先頭についている部分のことです。本体の中身そのものではなく、「これはこういうものですよ」と伝える案内書きの役割を持っています。
宅配便の伝票で考えてみる
宅配便の段ボールを思い浮かべてください。箱の中には本やら服やら、送りたいもの(=本体)が入っています。そして箱の表面には伝票が貼ってあります。
伝票に書かれているのは、宛先、差出人、荷物の種類、取扱注意かどうか、といった情報です。これらは荷物そのものではありません。でもこれがないと、配達員さんはどこに届ければいいのか分からないし、「ワレモノ注意」の表示がなければ乱暴に扱われてしまうかもしれません。
この伝票にあたるのがヘッダーです。中身を正しく扱うために必要な情報が、先頭にまとめて書かれている。
これが何か・どう扱うか
実際に届けたいデータ
どんな場面で出てくるか
HTTPヘッダー
Webブラウザがサーバーにアクセスするとき、裏側では「リクエスト」というデータが送られています。このリクエストにもヘッダーがついていて、「どんなブラウザから来たか」「どんな形式のデータが欲しいか」といった情報が入っています。サーバーからの返事(レスポンス)にも同じようにヘッダーがあり、「このデータはHTMLです」「このくらいの大きさです」といったことが書かれています。
APIを使うときに「認証用のヘッダーを付けてください」と言われることがありますが、これは伝票に「正規の差出人であることの証明」を書き添えるようなイメージです。
画面上部のヘッダー
Webサイトの一番上にある、ロゴやメニューが並んだ帯。これも「ページの先頭にある共通部分」なのでヘッダーと呼ばれます。日常会話で「ヘッダー」と言うとき、多くの人はこちらを想像します。
文書のヘッダー
WordやPDFで、各ページの上端に印刷される日付やタイトル。あれもヘッダーです。本文とは別のレイヤーで、全ページ共通の情報を載せる場所。
ファイルのヘッダー
画像ファイルや音声ファイルの先頭には、人間には見えない形で「これはPNG形式です」「縦横のサイズはこれくらいです」といった情報が埋め込まれています。これもヘッダーと呼ばれます。だから拡張子を .png から .jpg に書き換えても画像が壊れた扱いになることがある、というのはこのあたりの話につながっています。
共通しているのは「メタ情報」であること
場面はバラバラですが、ヘッダーに入るものには共通点があります。本体そのものではなく、本体について説明する情報だということ。こういうものを「メタ情報」「メタデータ」と呼んだりします。
| 場面 | ヘッダーにあたるもの | 本体にあたるもの |
|---|---|---|
| 宅配便 | 伝票 | 箱の中身 |
| HTTP通信 | HTTPヘッダー | ボディ(HTMLやJSONなど) |
| Webページ | 上部のロゴ・メニュー帯 | ページの本文 |
| 画像ファイル | ファイル先頭の形式情報 | 画素のデータ |
「ヘッダー」と言われたら文脈を確認する
ここが初学者のつまずきどころで、同じ「ヘッダー」でも指しているものが全然違います。デザイナーさんが「ヘッダーを直して」と言えば画面上部の帯のことですし、バックエンドの人が「ヘッダーが足りない」と言えばHTTPヘッダーのことが多い。
なので会話で出てきたときは、「どのヘッダーの話ですか」と素直に聞いてしまったほうが早いです。慣れてくると文脈で自然に判断できるようになりますが、最初のうちは確認する癖をつけておくと事故が減ります。
逆に言えば、「先頭にある、中身を説明する部分」という芯だけ押さえておけば、どの場面で出てきても大きく外すことはありません。
ちなみにフッターもある
ヘッダーの対になる言葉がフッター(footer)です。foot は「足」なので、末尾につく部分。Webページなら一番下の著作権表示やサイトマップ、文書ならページ下部のページ番号などがこれにあたります。頭と足、という単純な対応で覚えてしまうと混乱しません。
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