プロビジョニングって、要するに何?
プロビジョニング(provisioning)は、ざっくり言うと「必要なものを用意して、すぐ使える状態にしておくこと」です。英語の provision(供給する、備える)から来ている言葉で、IT の世界ではサーバーやアカウント、開発環境などを「はい、どうぞ使ってください」という状態まで持っていく作業全般を指します。
初めてこの単語を聞くと、なんだか大げさな響きがして身構えてしまうんですが、やっていることは意外と地味です。箱を用意して、中身を入れて、鍵を渡す。それだけのことを、かっこよく一語で言っているだけだと思ってもらって構いません。
例え話:新入社員の初日
会社に新しい人が入ってくる日を想像してみてください。その人が席に着いた瞬間から仕事を始められるようにするには、事前にいろいろ準備が要りますよね。
- 机と椅子を用意する
- ノートPCを1台割り当てる
- 必要なソフトをインストールしておく
- 社内システムのアカウントを作って、パスワードを発行する
- 入館カードを渡す
この一連の「初日までに全部整えておく作業」が、まさにプロビジョニングです。逆に言うと、これがちゃんとできていないと、新人さんは初日の午前中ずっと「PCが来るのを待っている人」になってしまいます。IT でも同じで、プロビジョニングが済んでいない環境は、見た目は存在していても実際には何もできない状態です。
どんな場面で使われる言葉?
プロビジョニングという言葉は、対象によって少しずつニュアンスが変わります。よく出てくるパターンを並べておきます。
| 対象 | プロビジョニングでやること(イメージ) |
|---|---|
| サーバー・仮想マシン | マシンを確保し、OSを入れ、ネットワークをつないで起動できる状態にする |
| ユーザーアカウント | アカウントを作成し、必要な権限やグループを割り当てる |
| 開発環境 | 言語のランタイムやライブラリ、設定ファイルを揃えて動かせるようにする |
| ストレージ | 必要な容量を確保して、読み書きできる形で割り当てる |
共通しているのは「リソースを確保する」「設定する」「使える状態で引き渡す」という流れです。
手作業と自動化
昔は、これを人間が手順書を見ながら一つずつやっていました。サーバーを1台立てるのに丸一日、みたいな話も珍しくなかったわけです。ただ手作業には避けられない問題があって、それは「毎回まったく同じにはならない」こと。Aさんが作ったサーバーとBさんが作ったサーバーで微妙に設定が違い、片方だけ動かない、という事故がよく起きます。
そこで最近は、必要な構成をあらかじめファイルに書いておき、ツールに実行させる自動プロビジョニングが主流です。レシピを渡せば誰が作っても同じ料理が出てくる、という発想ですね。「自動プロビジョニング」「プロビジョニングツール」といった言葉を見かけたら、この文脈だと思ってください。
似ているけど違う言葉
混同しやすいのが「デプロイ」です。デプロイは作ったアプリケーションを動く場所に配置して公開すること。プロビジョニングは、そのアプリを置くための土台(サーバーや環境そのもの)を用意することです。土地を整地して電気と水道を引くのがプロビジョニング、そこに家を建てるのがデプロイ、という区別で考えると分かりやすいと思います。
もう一つ、「デプロビジョニング(deprovisioning)」という反対語もあります。退職した人のアカウントを削除したり、使わなくなったサーバーを片付けたりする作業です。用意するだけでなく、きちんと畳むところまで含めて管理するのが実務では大事になります。
覚えておきたいポイント
この言葉に出会ったときは、「何を、誰のために、どこまで使える状態にする話なのか」を確認するのが近道です。プロビジョニングという単語自体はかなり広い意味を持つので、文脈がないと具体的な作業がイメージできません。逆に文脈さえ押さえれば、「ああ、あれを使えるように準備しておくのね」で理解できてしまう言葉でもあります。
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