Shiraude Code Docs
用語2026年8月5日egressネットワークセキュリティingress実行環境

egressとは?外に出ていく通信の話

egress は「出ていく方向の通信」

egress(イーグレス)は、もともと英語で「出口」「退出」という意味の言葉です。ネットワークの文脈では、ある環境の内側から外側へ出ていく通信のことを指します。逆に外から中へ入ってくる通信は ingress(イングレス)と呼ばれます。

建物で考えるとわかりやすいです。オフィスビルには入口と出口があって、外から人が入ってくる流れと、中の人が外へ出ていく流れがあります。egress は後者、つまり「中の人が外へ出ていく」ほうの流れです。

ingress(入ってくる)

外部から自分の環境に向かってくる通信。たとえばインターネット上の誰かが、自分の公開したWebサイトにアクセスしてくるような流れ。

egress(出ていく)

自分の環境から外部に向かう通信。たとえば手元のプログラムが外部のAPIを呼び出したり、ライブラリをダウンロードしたりする流れ。

Claude Code を使うときに、なぜこの言葉が出てくるのか

Claude Code はあなたのマシンやコンテナの上で動き、そこからさまざまな場所へ通信します。モデルへのリクエストを送るのも、`npm install` のようなコマンドがパッケージを取りに行くのも、Web検索やドキュメント取得をするのも、すべて「中から外へ」の通信、つまり egress です。

ここで気になるのが、「AIエージェントが自分のマシンから、勝手にどこかへ通信してしまわないか」という不安です。コードを読ませたら、その内容が知らないサーバーへ送られてしまう——そういうリスクを心配する人は多いですし、実際、企業で導入するときには必ず議題に上がります。

そこで出てくるのが egress の制御という考え方です。要するに「出ていく通信に見張りを置いて、許可した宛先以外へは出さない」という守り方ですね。

「出口に検問所を置く」イメージ

マンションの管理人さんを想像してみてください。外から来た人をチェックするのが入館管理(ingress の制御)。それに対して、荷物を持って出ていく人に「その荷物、どこへ持っていくんですか」と確認するのが egress の制御です。

egress を制御した環境では、たとえばこんな運用になります。

  • Anthropic のAPIなど、必要な宛先だけ通信を許可する
  • 社内の許可されたパッケージレジストリだけ許可する
  • それ以外の宛先への通信はブロックする

こうしておけば、仮に想定外の挙動が起きても、通信が外へ抜けていく先が限られます。「何が起きても、この扉からしか外へは出られない」という状態を作るわけです。

初心者がつまずきやすいところ

最初によくあるのが、「egress を絞ったらツールが動かなくなった」というパターンです。開発作業は思っている以上にいろんな場所と通信していて、パッケージの取得先、その依存先のCDN、Gitのリモートリポジトリなど、意識していない宛先がたくさんあります。許可リストが足りないと、エラーメッセージだけ見ても原因が通信ブロックだと気づきにくいんですよね。

もうひとつ、ingress と egress を逆に覚えてしまうケース。「in で入る、e(exit のe)で出る」と紐づけておくと混乱しにくいと思います。

覚えておきたいポイント

egress は難しい概念ではなく、単に「出ていく通信」を指す言葉です。ただ、AIエージェントに開発環境を触らせるという文脈では、この方向の通信をどこまで許すかがそのまま安全設計の話になります。個人で試している段階ではあまり意識しなくても動きますが、チームや会社で使い始めると必ず向き合うことになるキーワードです。

このページは役に立ちましたか?