RPAって何の略?
RPAは Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略です。日本語だと「ロボットによる業務自動化」あたりの訳が当てられることが多い言葉です。
「ロボット」と聞くと工場で腕を振り回している機械を想像するかもしれませんが、RPAで言うロボットは物理的な機械ではありません。パソコンの中で動くソフトウェアです。人間がマウスとキーボードでやっている操作を、代わりに再現してくれる仕組みだと思ってください。
身近な例で考えてみる
たとえば、毎朝こんな作業をしている人がいるとします。
- メールを開いて、取引先から届いた注文書のファイルを保存する
- そのファイルを開いて、中身の数字をコピーする
- 社内の管理システムに貼り付ける
- 登録が終わったら、確認メールを送る
1件あたり5分としても、20件あれば100分。頭を使う作業はほとんどなくて、手だけがひたすら動いている状態です。しかも人間なので、たまに貼り付ける場所を間違える。
RPAはこの「手だけが動いている部分」を丸ごと引き受けます。一度手順を教えておけば、あとは毎朝勝手に同じことをやってくれる。新人アルバイトに手順書を渡して仕込むのに近いイメージです。違うのは、そのアルバイトが24時間文句も言わず、絶対に手順を間違えないところ。
マクロやプログラムとどう違うの?
「それってExcelのマクロと同じでは?」と思った人、感覚としては近いです。ただ、対象範囲が違います。
マクロ
主にExcelなど、特定のアプリの中での作業を自動化する。そのアプリの外には出ていきにくい。
RPA
メールソフト、ブラウザ、業務システム、Excel…と、複数のアプリをまたいで操作をつなげられる。人間がやっている操作をそのまま代行するイメージ。
RPAが重宝されてきた理由のひとつが、この「アプリをまたげる」点です。会社の古い業務システムには、外部から自動でデータを入れる仕組み(いわゆるAPI)が用意されていないことが珍しくありません。そういうときでも、RPAなら画面上のボタンを押して入力欄に文字を打ち込む、という人間と同じやり方で操作できます。中身を改造しなくていいので、導入のハードルが低いわけです。
得意なこと、苦手なこと
RPAが力を発揮するのは、手順がはっきり決まっていて、何度も繰り返す作業です。毎日同じフォーマットの請求書を処理する、決まったサイトから定時にデータを取ってくる、といったものですね。
逆に苦手なのは、判断が必要な作業です。「この問い合わせは営業に回すべきか、サポートに回すべきか」みたいな、人間が読んで考える部分は基本的に扱えません。手順書に書けないことは、ロボットにもできないと考えるとわかりやすいです。
もうひとつ、実際に運用してみるとよくつまずくのが画面の変更に弱い点。RPAの多くは「画面のこの位置にあるボタンを押す」という覚え方をしているので、システムがアップデートされてボタンの位置やラベルが変わると、その途端に動かなくなります。作って終わりではなく、ときどき面倒を見てあげる必要があるものだと思っておくといいでしょう。
どんな作業から始めるといい?
いきなり複雑な業務を自動化しようとすると、大抵うまくいきません。おすすめは、手順が単純で、失敗しても被害が小さく、それでいて回数が多い作業です。地味なのですが、そういうところほど時間を食っているものです。
自動化の前に、まず作業手順を人間が言葉で書き出してみると効果的です。書き出してみると「あれ、ここは毎回自分の判断でやっていたな」という部分が見つかることがあります。そこがRPAでは扱いにくいポイントなので、事前に洗い出しておくと後の設計がラクになります。
覚えておきたいこと
RPAは魔法ではなく、「人間の単純作業を肩代わりする仕組み」です。仕事そのものを賢くしてくれるわけではないので、そもそもその作業が必要なのか、もっと簡単なやり方はないのか、を先に考えるのが遠回りに見えて近道だったりします。無駄な作業を高速に繰り返すロボットを作ってしまう、というのはよくある失敗談です。
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